論文を読んでみよう!
育毛に関してはいろんな説があふれていて、なにを信じていいのかわからなくなります。育毛関連企業が自分たちの利益のために都合よく切り取った情報に踊らされるのはもうたくさん!という人も多いのではないでしょうか。
そんなときに頼りになるのが、学術論文です。論文なんて聞くとずいぶん難しそうですが、読んでみると意外や意外、わかりやすくてためになるものが結構あるのです。それに、中立的な立場で研究された説には、やはり説得力があります。
情報ジプシーにピリオドを打つためにも、育毛に関する論文を一緒にみていきましょう。
育毛剤を検証した論文がある!?
まずは育毛剤に含まれる成分の効果を検証した研究論文(JR東京総合病院1皮膚科)をみてみましょう。育毛剤を使っている人や、これから使う人も必見です。
臨床試験を行ったところ、育毛剤の成分でよく耳にする「ミノキシジル」は、偽薬よりハッキリ効果があったとの結果でした。発毛は50~80%に認められたということですが、広範囲の薄毛では有効例が少ないようです。
「重篤な副作用はみられなかった」と論文にはありますが、実際にミノキシジル入り育毛剤を使用した人が、動悸、息切れ、眩暈、嘔吐などを引き起こしたという例があります。使用する場合には注意してくださいね。
「ペンタデカン酸グリセリド(PDG )」も、4ヶ月の二重盲検試験の結果は70%強に有効との結果が出ました。その後8ヶ月で85%、12ヶ月で90%と、長く続けることによって効果も高まるようです。副作用も認められなかったとかで、期待が持てますね。
また、古代中国医書に育毛促進効果が記載されている生薬では、何首烏(カシュウチンキ)と竹節人参(チクセツニンジンチンキ)に優れた育毛効果が現れたそうです。何首烏には外皮の脂肪量低下作用、竹節人参には血流促進作用が認められ、併用で効果が増すそうです。
東南アジア地方で広く生食されているDukuという実からとれるランジング酸(LA)には、男性ホルモンと結合して悪玉男性ホルモンDHT(ジヒドロテストステロン)を生成する酵素(5αリダクターゼ)を強力に阻害する効果があるそうです。これはすごい!
臨床予備試験でも、男性型脱毛症7例に3~5ヶ月で5例に増毛が認められました。副作用の心配のない安全な食物だそうで、今後のさらなる研究が待たれます。
新しい治療に光!?
論文では、新説も続々出てきています。科学の進歩は目覚しくて、夢が膨らみますよね!
うつ病や神経系の病気で処方される薬品「バルプロ酸ナトリウム」は、毛乳頭細胞を活性化して毛包の再生を促す作用があることが発見されました。マウスの実験でも、毛の再生を促進させ、発毛に成功したようです。
細胞表面に存在する糖タンパク質の「Pカドヘリン」は、働きが弱くなると、髪の成長期を促進するIGF-1の発現が減少し、退行期に関連するTGFβ2(トランスフォーミング増殖因子β2)の発現が増加することが発見されました。
そこでTGFβの中和剤を使うと、Pカドヘリンが働かなくなることで起こる退行期への促進を防げたようです。これはすぐにでも治療に使えそうですね!
「プロスタグランジンD2」という酵素が、アメリカの科学者によって男性の薄毛のきっかけとなることが発見されました。なんでも抜け毛のある部分の毛包細胞では、この酵素のレベルが上昇しているとのこと。今後の治療薬に生かせる研究です。
また、毛乳頭細胞を培養し頭皮に移植する研究が進められていますが、毛乳頭細胞は培養を続けると毛包誘導能が失われてしまうのがネックでした。ところが人間の持つタンパク質の一種である「Wnt10b」を培養時から加えると、毛包誘導能を失わないことが発見されました。
再生医療にも光が射してきましたね!
まとめ
いかがでしたか?論文は専門用語が少しわずらわしいですが、確実に育毛科学が進歩していることがわかりましたね。これからの治療研究は専門家におまかせするとして、最後に身近なものでできる育毛に関する論文をご紹介しましょう。
京都学園大学バイオ環境学部が発表した「黒茶熱水抽出物の育毛促進作用に関する研究」です。ウーロン茶の一種プーアール茶(黒茶)は飲んでも育毛に効果があるとされてきましたが、なんと塗っても育毛作用があったそうです。
この育毛作用は、トウガラシの辛味成分であるカプサイシンを組み合わせることにより、さらに増強されたとのこと。
このように私たちが気づかないだけで、さまざまなものに育毛効果が隠されているのかも知れません。論文をマメにチェックして、正しくお得な情報をゲットしていきましょう!
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